|
「薬味」の入っていない味噌汁や吸い物を、昔は「坊主」といい、客に出すのは、無神経ということで嫌われたものである。味と健康に対する、思いやりが欠落していると考えられたからだ。たとえ、一年中同じ豆腐の味噌汁であったしても、四季折々の「薬味」を散らせば、食卓の上にうるおいや季節感、新鮮な風味も演出できる。薬味に用いられる香味野菜は、薬効成分がたっぷりのものが多い。日々欠かさず取る薬味の薬効成分が、日本人の長寿を支えてきた。薬味文化には、日本人の知恵が込められているのだ。
タマネギは水にさらし過ぎないようにしよう。
タマネギを切った時に目にしみる刺激成分は、ネギ類に共通して含まれている、硫化アリルという成分だ。硫化アリルは、血液の凝固を抑制して、血液の流れをサラサラにする作用があり、血栓の発生や動脈効果などの予防に役立つ。効果は生で使った時にもっとも発揮されることが判明しており、しかも、切ってから一時間くらい置いた方が効果も高くなるという。ただし、水にさらすと、硫化アリルは流れ出てしまう。さらしタマネギにかつおぶしをかける料理があるが、さらす時間に気をつけよう。硫化アリルが流れ出てはもったいない。あまり水につけない方がよい。 |